バイリンガル育児を楽しもう!

掛け流しの成果

早期英語教育を実践した場合の成果について書いてみようと思います。まず、ここでいう、早期英語教育とは、家庭で英語の環境を作る(音をBGM的に掛け流す、特に聞きなさいと意識させないで流すのがポイント)ということを意味しています。

そうした早期英語教育を実際に実践されている方もこの楽天でも多いのですが、では、いったいどんな成果が期待できるのか、私なりに望める成果について考えてみたいと思います。

私が考える、最低限の成果は、英語の音が掛け流されていても、それが気にならないという状況になるということです。つまり、英語を聞き流すことが習慣になり、それが苦痛でなくなるということです。

これって、大したレベルじゃないと思っている人が多いかもしれませんが、英語が流れていても不快感を感じないとか、英語でTV番組を見ていられるってすごいことだと思います。外国語を学習する上で、一番障害になることは、その言語を聞いていることが苦痛になり、学習を継続できなくなるとか、言っている言葉が聞き取れないので、リピートすらできない、ということだと私は思っているので、音を耳に入れることが苦痛でないというのは、すごい利点だと思っています。そして、そうして聞き続けることが、同時に英語の耳を作ることに結びついてくるので、英語の音も聞き取れるようになってきます。よく意味のわからないものを聞いても意味がないという人がいますが、意味はあとでついてくるものだと思うので、極端な話、中学や高校になった時に、意味がわかってもいいと私は思っています。この辺は、古文と同じだと思います。意味がわからなくても、それまでにたくさんの音が体に入っていることが大切ということです。

娘が2歳の頃、セサミをみていたのですが、英語の塾の先生に、「意味がわかってみているんですか?」と聞かれたことがありました。これって、すごく変な質問だと思いませんか? だって、2歳くらいだと、日本語でセサミをみても全ての意味はわからないと思うのに、日本語の番組を見ている子供をみて、「意味が分かっているの?」って質問する人はあまりいないじゃないですか。そして、私にとっては、意味がわかるということより、英語を聞くことが苦痛でないようにすること、英語が聞き取れる耳を作ること、そして、英語の感覚や基盤を身につけることが大切だったので、意味がわかるかどうかはどうでもいいことでした。

英語を聞かずに育った子供は、10歳位になると、セサミストリートやアメリカのTV番組など、ネイティブ向けの英語だけのものは、1時間も英語で見ていられなくなります。これは、大人でも同じだと思うのですが、フランス語やロシア語のドラマや映画って、よほどその映画が見たいなどの特別な理由がなければ、字幕がなかったら1時間も見ていられないと思いませんか(少なくとも私にはできません)?

我が家では日本のアニメは殆ど見ないので、娘にとっては、「英語の番組を見ること=テレビを見ること=自分がしたい楽しいこと」になっています。ですから、楽しい事、したくてたまらないことが、そのまま英語の勉強になっています(ってもちろん、学校で勉強するような内容は、ワークブック等でさせていますが)。ところが、英語を聞いてこなかった子にとっては、「英語の番組をみること=苦痛=やりたくないこと、大変で嫌なこと」という図式になってしまう傾向があるので、その子にとっては、英語学習が大変なことになってしまいます。(とはいっても、もちろん、英語が好きでたまらないという子もたまにいますので、これはあくまでも一般論です)ですから、英語を聞いていることが苦痛でないということは、とても大きなメリットだと私は思うのです。

あと、私は昔中学の英語の教師をしていたのですが、いくら生徒に英語のテープを聴くように言っても、そうした習慣のない子供にとって、忙しい中学生生活の中で、しかも何を言っているのかわからないテープを流せといわれても、なかなか続けられないというのが現状でした。

ですから、もし、お子さんが、万一、英語をぺらぺらしゃべるというレベルにまでならなかったとしても、音を聞かせ続けるということには、そうした大きなメリットがあるということを忘れないで欲しいと思っています。そして、そうしたことは、一朝一夕にできるようになるものでもなく、結構時間の掛かるものなので、それを子供が小さい時期にすませておくと、あとがとても楽です。しかも、ただ、テープやCDを流すだけでそうした力が付くのですから、そんなに簡単なことはないと思うのです。

あと、本が読める(そうなるには、その他に暗唱をさせたり読み聞かせをさせたりといろいろなアプローチが必要になる場合もありますし、英文が一人で読めるようになってくれれば、これも読書を楽しみながら英語の勉強ができるわけですから、こんなに楽な勉強法はないのですが)とか、ぺらぺらにしゃべれるようになるなど、もっとずっと上を目指すことも可能だと思いますが、最低限でも、掛け流しについては、これだけの利点があるということをご理解いただけるとうれしいと思っています。

英語の掛け流しの効用を大雑把に順番にまとめると、以下のような順番でしょうか?(結構適当です)
①英語の音を耳にすることに抵抗がなくなる(最低限の目標)
②英語の音が聞き取れるようになる
③英文の暗唱ができる
④英語の感覚が身に付く
⑤英文が読める、英語が話せる
って感じでしょうか? 


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